【書評】HTML&CSSとWebデザインが1冊できちんと身につく本

初心者でもカッコイイWebサイトの制作が体感できる本
本書は、Web制作に関して、知識ゼロ状態の人でも学習がスタートできるように、
Webサイトの仕組みから制作フロー、制作環境の設定などから説明がはじまります。
HTML&CSSとWebデザインが 1冊できちんと身につく本 (著:服部雄樹)
制作環境設定としては、Brackets(Adobeの無料ソフト)というテキストエディタを使って学習を進めるのですが、ソフトのダウンロード方法の説明も丁寧に書かれていますので、心配ご無用。

制作環境が整ったら、サンプル素材(指定URLからダウンロードで入手できる)を使って、HTML、CSSのコーディングを実際に手を動かしならがら体感する設定になっています。
内容としては、初心者でもWebデザイン制作の全体像をつかめるように、
Webデザインの代表的な4つのレイアウト手法(①フルスクリーンページ ②シングルカラムページ ③2カラムページ ④グリッドレイアウト)にくわえて、
Webサイトには欠かせない、「表組み」「問い合わせフォーム」の作り方、「地図」や「動画」の埋め込みも学びます。

個人的には、画像の回り込みをしたときにレイアウトがくずれてしまう部分がいままで謎だったので、
「clearfix」という方法で「float」による回り込み(レイアウトが崩れてしまう)を解除する方法は目からウロコでした(基本なんだろうけど)。
また、見映のよいサンプルサイトなため、完成した後もアレンジして作り変えたくなる出来映えです。
著者も、「自由に改変して自分のサイトとして活用してほしい」と本書の中で勧めています。
それにしても。。紙の広告に携わってきたボクにとっては、Web制作のとっつきにくさは、まだまだ克服できません。
紙の広告制作の場合、Illustratorのような、直感的にレイアウトができるソフトだけでで完結できる(画像の調整にはPhotoshopを使う)のですが、その感覚に慣れてしまっているため、Web制作のようにコードひとつずつ書いてレイアウトを調整していくというのは、高いハードルになっているからです。
それに、Webの場合は「見た目のよさ」に気を使うこともさることながら「使いやすさ」も考慮する必要があるため、よりテクニカル的な知見が求められる点も紙と勝手が違う点です。
いずれにしても、なかなか苦労しますが、本書のような実践的な本で学んでいくことが、いまのところWeb制作を学ぶ近道なのかと思います。実際に手を動かしてみると、面白いとも感じることもありますし。

Webデザインは独学で学べるのか
独学は難しい、スクールに通った方が手っ取り早いという人もいるかと思いますが、
本は1冊あたり高くても2,500円程ですので、まずは「作りながら学べる本」を1冊やってみるのは、コストパフォーマンスのうえでもよい学習方法だと思います。
それに、知識ゼロでスクールに通うと完全受け身になってしまいますが、本を何冊かやり通して基礎を身に着けた状態になっていれば、スクールで疑問点などをぶつけられるので得られるものが多い気がします。
また、Progateなど優れたオンライン学習サイトもありますが、本の良い点は、1冊をやりきるという明確な目標設定があるため、学習の達成感を得られるところです。
さらに、2回、3回と繰り返したり、画像やテキストをオリジナルにアレンジして作り変えたりしながら学習することで、スキルはメキメキと伸びていく感覚が確かにありますので、おすすめします。