【印刷】ネットプリントってどうなの?

今回は、「ネットプリント」について、印刷のプロ(自称)が

・安さの理由
・品質
・デメリット

について解説したいと思います。

圧倒的に安い理由

営業マンではなく、Web注文

一般の印刷会社のように、営業マンがクライアントの面倒をあれこれ見るのとは違い、「発注者側で最低限のことはやってください」というのがネットプリントのプリントの特長です。
営業マンに電話1本で発注完了、とはいかず、仕様・納品先・納期など注文内容をWebでひとつずつ入力する手間があります。(とはいえだいぶシステム化されて使いやすくなっています)

人件費を抑えている分、金額に反映されているわけです。

コスパ最強な印刷方式

仮に、A4サイズ(横 210mm× 縦 297mm)の印刷物を例にすると、
両面フルカラー印刷で1万部の価格で

・ネットプリント  18,000円
・一般印刷(相場) 75,000円

という価格の違いがあります。

どうしてネットプリントが安いのかというと、それは、
ネットプリントの場合、1台の印刷機に複数の案件を「多面付け」(ためんつけ)して印刷しているからです。

イメージとしては以下の画の通り。

ネットプリント(が提携している印刷工場)の印刷イメージ。
A4サイズのチラシの場合、1台の印刷機に8件分の注文を同時に印刷する

イメージしにくいと思いますが、オフィスで使われるレーザープリンターや、家庭用プリンターの場合、A4サイズの紙を給紙トレーに設置して、1枚ずつ印刷しますが、商業印刷の印刷工程は、もっと大がかりなものになります。

商業用の印刷機械というのは、A4サイズの8倍以上の面積の大判用紙で印刷をして、断裁するのです。
(サイズについては、商業印刷で一般的な菊全印刷を例にしています)

そこでネットプリントでは、その案件数の多さと、ITを駆使した情報整理の強みを活かして、同じA4チラシの印刷案件を複数同時に処理することで1案件あたりのコストをおさえているのです。

ちなみに、ネットプリントではなく、一般的な印刷会社へ発注した場合は、以下のように印刷し、断裁します。

印刷会社へ直接依頼した場合の印刷イメージ。
単独で印刷するため、A4サイズのチラシの場合、1台の印刷機に1件分を8面付して印刷する

印刷の品質は変わらない

自分がネットプリント会社へ発注した経験から、印刷の品質自体に問題はないと断言できます。

「ネットプリント」といっても要するに受注窓口がインターネットを介しているだけで、印刷自体は提携している印刷工場で印刷しています。

さらに言えば、世にある印刷会社は、どこもだいたい同じ印刷機械を使っています。「印刷業」を名乗る会社が2万社近くあるのに対し、印刷機械メーカーは、数社が独占している状態です(三菱とかKOMORIが代表的です)。
なので、品質に大きなブレが起こる物理的な要因はありません。

ネットプリントのデメリットは?

●納期
納期の調整、急な納品先の変更など、対応面で融通が利かないことがあります。
「ラクスル」の場合、「3営業日」で発注をしても、納品日が例えば、6月1日~6月3日、というようにハッキリしません。
なので、納期が遅れても困るし、早まっても困る、という場合はちょっとコントロールが難しいです。

個人的には、「イロドリ」というネットプリントの会社をよく利用していました。電話対応も(たしか)24時間対応してくれて、納期についても○月○日AMでと細かく詰めることができ、また納品先の変更など、融通をきかせてもらいました。

●入稿データ
データに不備があった場合、(塗り足しがない、リンク画像が抜けている、フォントにアウトラインがかかっていない等)アラートをしてくれますが、こちらで修正して再入稿しないと先に進みません。またそこで進行が止まってしまうと、納期がズレていきます。
これが、取引のある印刷会社だったら、データの不備もできる範囲で直してくれたり、タイムロスしても納期に間に合うよう、リカバリーしてくれたりと面倒をみてくれますが、
ネットプリントに発注する場合は、より慎重に、確実なデータで入稿する必要があります。

結論

・入稿データに自信のある人
・納期にゆとりがある

の場合は、ネットプリントの価格は魅力ですので、活用するのも良いかと思います。

ただ案件の内容が複雑になるほど、従来の印刷会社に相談した方が楽だし早いことは間違いありません。

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