【便利♪】PDF比較ソフト

PDF比較ソフト BitMatch Premium(ビットマッチ プレミアム)

印刷業界寄りの話。

比較したい2つのPDFファイルをパソコン画面上で差分チェックするソフトの紹介です。

いわゆる「デジタル検版ソフト」と呼るものですが、数多あるデジタル検版ソフトを体験版で使ってみて、一番使いやすかったモノを購入しました。

価格は¥79,000(税別)です。高額になりますし、印刷に関わる仕事をしていなければ、まあ必要ないと思います。

でも、これまで紙ベースで内校(ないこう=誤字脱字や修正モレをチェックすること)してきた自分としては、革新的なソフトだったので、以下に実際のデザインデータを使ってレビューします。

<目次>

・どんなソフトなの?
・PDF比較ソフトを使うメリット
・確実にミスを防ぐワークフロー
・グラフィックデザイナーにおすすめな理由
・その他の機能

どんなソフトなの?

実際に制作途中のデザインデータを見ながら説明します。下に「修正前」、「修正後」のデザインが並んでいますが、どこが修正されているのか、目視ですぐに気づくところを変えています(3,000円のところ)。

本来、小さな文字や1mm以下のわずかな違いも見つけてくれるソフトなのですが、ここのブログでは機能のわかりやすさを重視してあえて目立つ文字で比較しました。

それでは、このファイルを比較ソフトにかけてみましょう。
以下のように、ソフトを立ち上げたらファイルをポイッとするだけです。

すると、あら。差分がマーキングされてどこが修正されたのか一目瞭然です。
マーキング以外のモノクロ部分は完全一致しています。

ぼわ〜っと色がついているところが差異部分

PDF比較ソフトを使うメリット

このように、2つのデータの差分を表示してくれるソフトなのですが、PDF比較ソフトを使うことで、得られるメリットは、以下の2つです。

①差分を瞬時に見つけられる
・修正漏れ、修正した場所以外の変化を、目視しずらい部分までテクニカル的に瞬時に見つけてくれるところ

②場所を選ばない
・パソコン画面上での確認ができる(紙に出さなくても確認できる、外出先でもノートパソコンがあれば検版できる)

デザイン・DTPの業務というのは、テキスト1文字の修正とか、細かな修正を繰り返すことが多いので、その分、モレやミスのリスクが高まります。

自分でデザインデータを用意して、印刷を外注したことのある人なら印刷物が手元に納品されたときに、

「あれ?これ内容違くない?」

という経験をされた方もいらっしゃるかと思います。

原因としては、デザイナーが印刷所へ入稿したデータが間違えていたことで起こるのですが、
修正したと思っていたところが実は修正されていなかった(修正後にちゃんと保存してなかった)、意図せず余計なところまでデータを変更してしまった、
というのは、(人がやることなので)よく起こります。

目視している情報は、脳内で自分が「正しかろう」と思うように変換してしまう(思い込み)ので、意識的に確認をしないと、ケアレスミスに気づくのが難しいのです。

確実にミスを防ぐワークフロー

●印刷会社への入稿前

デザイナー:Illsutratorデータを確認用PDFに変換
      「修正前」、「修正後」を比較ソフトで確認
      問題ないことを確認し、関係各所へ

※デザイナーは、Illustratorデータを確認用PDFに変換して、関係各所への確認をとります(Illsutratorデータは、Adobeの有料ソフトを持っていないと閲覧できない。だがPDFであれば、どのパソコン、スマホからでも開いて見ることができる)

関係各所 :OKを出す

デザイナー:Illustratorデータを印刷所へ入稿
      このときに、確認用PDFも同封して送ることが丁寧な入稿
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

●印刷会社への入稿後

印刷所  :デザイナーのIllustratorデータを印刷用PDFに変換、
      印刷用PDFをデザイナーに送付


デザイナー:印刷用PDF確認用PDFを比較ソフトで確認
      2つのPDFが同一であれば、印刷所へ進行OKを出す


印刷所  :印刷工程へ進む

グラフィックデザイナーにおすすめな理由

グラフィックデザイナーは、ビジュアルの構成だけではなく、最終成果物である「印刷」にまで責任の一端を持つ立場にいます。

そして仮にデザイナーが間違えたデータを作成し、そのまま印刷工程へ進んでしまった場合、その間違えたチラシは使い物にならないとして、破棄することになり、刷り直すことに多額の費用がかかります。

そのチラシの印刷枚数が100枚か、100万枚か。
デザイン作業は同じでも、その後の印刷工程では、印刷枚数によって、コストが大きく変わり、ミスがあったときの損失額がデザイン作業とは紐付来ません。
そのリスクに気づきづらいのが、商業印刷物のデザインをする落とし穴なところです。

ですが、本来、デザイナーであれば、印刷のリスクに意識を持っていかれたくないはずです。意識を向けるべきは、より洗練されたビジュアルを作ることであり、印刷工程にピリピリすることでありません。

こういった最新のテクノロジーをつかってミスが防げるのであれば、それを利用して本業をスキルを磨いていくべきだと私は思います。

とくに、リモートワークで自宅にプリンターを置いていないデザイナーには、どこにいてもパソコン画面上でPDFファイルの差分チェックができるソフトはメリットが大きいと思います。

その他の便利な機能

テキスト校正機能

テキスト情報を比較して違いを表示してくれる

これはカタログとか、テキストの多いページ物のチェックに最適。
正直、この機能を使ったことはありません。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

2つのファイルの版ズレを調整

2つのファイルの版ズレを、マウスで引っ張って、ぴたり。
ワタシはこの機能で購入を決めました!

アートボードのズレも手動で微調整できる。この機能がすばらしい!
デザイナーの確認用PDFと、印刷会社の印刷用PDFって、ときどきアートボードがズレてたりするのです。

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

あおり検査機能

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です