勉強することについて(その①)

就職したら勉強しない日本人

平成28年の総務省の調査によると、日本の働く人(有業者)の勉強時間は1日あたり6分程度だそうです。これは先進国の中で最も少なく、日本人のビジネスマンは勉強しないというのが定説だそうです。

勉強しない理由は大まかに以下の3つ当てはまると思います。順番に解説していきます。

①勉強にあてる時間の確保が難しい
②勉強する必要性が見つからない
③勉強の定義を間違えている

①勉強にあてる時間の確保が難しい

数年前から「働き方改革」という言葉が浸透してきて、過度な残業に対する批判的な意見も受け入れられ(個人的には、健康でかつ沢山仕事をしたいという意欲のある人に働き過ぎるなとおせっかいを言うつもりはありません)、さらにコロナでテレワークが一般化するなど、仕事する環境が大きく変わりました。
これはサラリーマンにとって悪い話ではなく、勉強する時間を捻出しやすくなったはずです。

非同期型の就業スタイルは、周りに邪魔されることなく、自分で時間をコントロールをしやすいからです。

10年近く前の話になりますが、私自身、当時めずらしくなかったブラックな働き方をしていた時期があります。そとのきは印刷の営業をしていたのですが、今ほど業務がIT化されておらず、深夜0時を回ったあともデザイン会社へ行って入稿データ(データはUSBに入っていた)を取りに行ったり、翌朝までに提出する見積が50本くらいあたりして、終電過ぎても会社のパソコンに向かっているようなことが日常的でした。クラウド化も進んでいなかったので、今のようにノートパソコンを持ち歩いて、家やカフェで仕事をする、ということもできず、会社に居残っていたのです。朝方になると、よく机の下で段ボールを敷いて仮眠をとっていました。

少し話がそれてしまいましたが、要するに(私に限ったことではなく)、
会社にガチガチに拘束されるという状態は、だいぶ改善されてきており、仕事をする時間と場所のコントロールができるようになっています。

「仕事が忙しくて勉強する時間が無い」という言い訳で思考停止せず、勉強する時間を捻出する工夫をしましょう。

②勉強する必要性が見つからない

勉強の必要性が見つからないのではなく、勉強の効力をまだ知らないだけで、そのメリットが見えずに勉強をしようという意欲がわかないだけなのかもしれません。

30年近く前、私はファミコンゲームのドラゴンクエスト4にハマっていました。
しかし、ロールプレイングゲームは小学生の私にはハードルが高い部分もあり、どうしても宝箱までたどり着けない洞窟があったり、どこへ行けば仲間に出会えるか迷って、先に進めなかったりしていました。
そこで役立ったのが、本屋に並んでいたドラクエの攻略本です。

「勉強する」ということは、ドラゴンクエストでいえば、攻略本を手にするようなものです。勉強次第で仕事を格段に優位にすすめることが可能となります。

勉強するべき内容は、普段仕事をするなかでいくらでも見つけることができます。たとえば、仕事をしていてわからないことが出てきたときに、自分で調べずにその都度、社内の人に聞いたり、協力会社に丸投げしてしまう、という欲求にかられることもあるかと思います。ですがそんなときには(緊急の場合もあるでしょうが)、15分程度でもいいから自分で調べて、自分なりの仮説を出してみましょう。人に質問するのはそれからです。

私は、以前の職場で広告制作の営業にチカラを入れていたときに、営業の身でありながら、デザイナーが使用するアプリケーション(Photoshop、Illustrator)を勉強しました。
そうすることで、自分だけで対応できる範囲が広がり、いちいちデザイナーに相談してデザイナーの手を煩わせる時間がなくなりました。何よりデザイナーの実務を自分の手を動かしてで理解することができたので、デザインの指示をするときにも役立ちました。

また、Illustratorを勉強することで、営業資料作成によく使っていたPowerPointの操作も早くなるというメリットもあったので、やはり勉強することにムダなことは何もないと思いました。

つまり、少し勉強すれば、仕事の効率がグンと上がるということはたくさんあります。他人に頼っていた部分を自分でトライしてみることからはじめてみましょう。そうすることで、仕事の全体像も見えてきます。

③勉強の定義を間違えている

転職に有利だからといって、むやみにTOEICや資格試験のような勉強に熱を入れることはおすすめできません。
もちろんそのような資格試験自体を否定するわけではないのですが、
社会人の勉強とは、勉強することで仕事の生産性を上げるためにあります。

試験勉強のような、”証明するため” の勉強を「勉強」と定義してしまうと、気後れしてしまうのも無理はありませんし、そのような勉強は今の仕事に直結していないケースも多く、モチベーションの維持が難しいものです。

なので、ビジネスマンであれば、”成長するため”の勉強 に目を向けてほしいです。勉強それ自体は目的ではありません。あくまで仕事で成果を出し続けるための「手段」です。

まとめ

以上、勉強することについて書いてみました。

勉強時間はつくれる、勉強の必要性も見つかる、勉強は成長するためにある、
ということをご理解いただければ幸いです。

それでは具体的にどのようにして勉強をすればよいのか、
それにはサッカーの本田圭佑選手の勉強への取り組み方が示唆に富んでいたので、次のブログで紹介したいと思います。

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