「立ち会い出産」体験記(中編)

前編より→
産婦人科の医師から、胎児が大き過ぎないうちに産むために、「計画分娩」で早く赤ちゃんを外に出すことを勧められた。

妻は「大きくなるのはいいことなのに、赤ちゃんが悪いみたいで悲しい」と言った。
ボクは確かになあ‥とは思いつつも、
出産は「母体」×「胎児」でいろんケースがあって、一概にこの方法が正解というものがなさそうだ。それなら医師の提案に従おうと思い、妻は「計画分娩」のため入院することになった。

ただ、入院するまでに数日、間が空いていたのと、
「計画分娩」といっても入院してすぐに産まれてくるわけではないし、
仕事もあるので‥ ボクは東京へ戻った。

東京にいる自分が妻の出産に立ち会うためには、
”産まれそう”なタイミングに大阪へ向かう必要がある。
「本陣痛」というものがきてから、初産婦で12時間後に産まれるケースが多いため、ボクは東京で仕事をしながら「本陣痛」の連絡がきから向かえばよい。
一応いつでも新幹線に飛び乗れるように常に着替えなど鞄に詰めて仕事していた。

ちなみに、陣痛というのは、いよいよ出産のとき起こる母体の変化で、
子宮の収縮によって、子宮口が徐々に開き、赤ちゃんを押し出していく。
陣痛の痛みは波があり、はじめ微弱な痛みがきて、次の痛みまでのインターバルも長い。それが60分間隔、30分間隔、10分間隔、というように、徐々に痛みが強く、インターバルも短くなっていく(らしいです)。

「破水」の連絡あり、大阪へ急行

妻は、4月1日から「計画分娩」のため入院し、
メトロ(子宮口を広げるための風船を入れる)や、陣痛促進剤の点滴などの処置を受けた。

「破水した」と連絡が来たのは、入院4日目の4月4日、17時近くだった。
まだ「本陣痛」は来ていない。それはよくあることで、慌てる必要はないのだが、破水するとある問題が発生する。

お腹の中にいる胎児は羊水に護られているが、羊水を包む羊膜が破れると、
羊水だけが外に出てしまう(これが破水)。んで、そのまま母体に留まっている胎児は、空気中のウイルスなどにさらされ、危険な状態になる。

(ちなみに、胎児は膣を通って母体を出てくるときに、母体から免疫をもらう。だから新生児は免疫を持っているけど、まだ生まれてない胎児に免疫はない)

なので、24時間以内に、出産できない場合は、帝王切開することになる。

ボクは18時ごろに東京駅から新幹線に乗り、大阪府守口市の松下記念病院へ向かった。病室に到着したのは、21時をまわっていた。

隣の妊婦さんの叫び声がすごい

分娩室・陣痛室の間取り カーテンで仕切られてる

病室は「分娩室」と「陣痛室」に分かれており、
妻は 「陣痛室」 にいた。
入院も4日目、陣痛がきては「本陣痛」にならずに消えを繰り返し、疲れている様子だった。

隣のベッドでは、他の妊婦さんが陣痛に耐えて頑張っている。

「ぎゃー! 死ぬー!!」

カーテン越しに 、隣の妊婦の叫び声が聞こえてくるのだ。。

(おお、これが出産か‥)

妻は「うるさくて寝れない」と耳栓をしていた。

看護師が妻のベッドにきて、今日は赤ちゃんが出てこなさそうだから、
また明日、点滴しましょうねと言って、
ボクも病院を出ることにした。

明日は朝から病院へ行き、嫁に付き添う。
破水してしまったからには、明日には赤ちゃんを出すことになる‥
子宮口から出てきてくれるか、帝王切開になるのか、
どうなることやら‥
後編へ続く→

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